キツネはちょっとずる賢くて、タヌキはちょっと間が抜けている。 キツネは目が細くて、タヌキは目がクリっとしている。 ちょっと腹黒かったり、何を考えているか分からないおじさんを「タヌキおやじ」と評することもあり、タヌキという言葉に対してあまりよいイメージが無い人もいるだろう。 実際、ちょっと田舎にいくと夜中に畑に出てきて作物を食べてしまう害獣として認識している人も多い。 とはいえ、タヌキを絵に書いたり、マスコットや人形にすると非常に可愛らしい茶色い小動物になる。 犬や猫など身近な動物をキャラクターとして描こうとすると、これといった特徴を強調することが多が、タヌキも例外ではない。 タヌキのイメージは人によっていろいろだとは思うが、日本人がイメージする多くのタヌキは信楽焼のタヌキの置物ではないだろうか? 唐傘を背中に背負っていたり、頭には葉っぱを乗せたりしている。 そんな古式ゆかしいタヌキのイメージが日本人にはある。 しかし、これは実は世界共通なのかもしれないと先日思った。 ズートピアというディズニー映画をご存知だろうか。 ウサギのジュディーが警察官として肉食動物の行方不明事件を解決すべく、キツネのニックと東奔西走する話である。 タヌキはメインキャストではないのだが、ニュースキャスターとして数秒間登場する。 最初は気付かなったが、このキャスタータヌキ、頭に緑色の葉っぱを乗せ、背中には唐傘と思われる何かを背負っているではないか! これはまさしく古典的なジャパニーズタヌキである! 日本のタヌキの認知度は世界レベルなのか! 確かに、宮崎駿アニメの平成狸合戦ぽんぽこなど、タヌキを扱ったアニメもあり、認知度は高いかもしれないが、だからと言って、世界のディズニーがタヌキを描くときに葉っぱと唐傘というアイテムを使用するとは夢にも思っていなかったので、非常に驚きつつ、若干嬉しく感じたのはやはり、日本人としてのアイデンティティーのなせる業かもしれない。